株式市場の振り返り-やや粗い値動きの中、日経平均株価は小反発に止まる
2016年6月28日(火)の東京株式市場は弱い動きとなりました。日経平均株価は前日比+0.1%上昇する小幅続伸となりましたが、TOPIXは▲0.1%下落する反落となりました。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+2.2%上昇する続伸となりました。
日経平均株価は、前日比▲214円安で寄り付いた後、前場の半ばに一時▲321円安まで下落しました。しかし、その後は下げ幅を縮小し始め、後場の開始間もなくには一時+134円高となる場面が見られました。その後は上値が重い展開が続き、引けに掛けて売りが優勢となります。結局、大引けは+13円高の15,323円で終わっています。
東証1部で上昇したのは1,000銘柄、値下がり835銘柄、変わらず120銘柄でした。東証1部の出来高は24億9,562万株、売買代金は2兆3,571億円(概算)となっています。売買の活況が戻りつつあることは数少ない良いニュースです。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中14業種が上昇、内需関連銘柄の買い戻し続く
東証1部で上昇したのは14業種、下落したのは19業種でした。上昇率上位には、前日に続き、内需関連業種やディフェンシブ・セクターが多く見られます。一方、下落率のトップは輸送用機器でした。また、金融セクターも依然として下落基調が強く、28日も下落率上位に名を連ねています。
個別銘柄では、しまむら(8227)が前日の好決算を受けて大きく値を飛ばしました。また、ファミリーマート(8028)や住友不動産(8830)も大幅上昇となり、エーザイ(4523)などの薬品株も値を上げています。一方、トヨタ自動車(7203)が大幅下落となり、ヤマハ発動機(7272)も急落しました。年初来安値更新が相次いだ電機セクターでは、富士通(6702)などが大きく下落しています。
本日(6月29日)の注目点-警戒感を緩めずに、外需セクターの売られ過ぎ銘柄を意識し始める
28日の株式相場は、乱高下の結果、終わってみれば小幅続伸に止まりました。29日(木)もこのように、取引時間中には大幅高となる場面がありながら、最終的には小さな動きという展開が続くと見られます。しかし、売買の活況感が回復しつつある状況を勘案すると、一旦は下げ止まりの気配があります。ただし、これは一旦かもしれないので、『よし、ここだ!』と考えて、投資資金を一度に注ぎ込むのは愚の骨頂です。上昇局面に追随するとしても、最小限の投資単位でコツコツと行ってください。
先週末の急落から、輸出関連銘柄の大幅下落が続いていますが、個別銘柄で見ると、やや過剰反応の感が少なくありません。大きく下落した輸出関連株の下値を意識し始めるタイミングとも言えます。その場合でも、必ずコツコツと臨みましょう。
青山 諭志