金銭的コスパではなく、「時間的コスパ」が重要
よく「ハイブランドバッグは長期的に持てばコスパがいいから持つべき」などと言われることがあります。しかし、正直なところ金銭的コスパはよくありません。
ハイブランドバッグで多い価格台は30万円前後です。10年使うと、1年あたり3万円。どんなバッグでも、10年使うとさすがに傷や痛みが出てきます。それなら、毎年3万円のバッグを買った方が安上がりですし、さすがに3万円も出せばかなりのものが買えます。実際には2年くらいは外観を損なわずに使えるのではないでしょうか。すると、年間のコストは1.5万円になります。ハイブランドバッグを買うより経済的なコスパはいいのです。
しかし、筆者が主張したいのはこうした金銭的なコスパではなく、「時間的なコスパ」の方です。
バッグを買う、というのは簡単なようでいて様々な労力や時間がかかります。まず、バッグの買い換えを検討するためには、バッグの痛み具合などを把握する必要があります。また、新しくバッグを買うためにお店に出かけたり、ネットショップで注文をした場合は受け取りなどが発生します。
何より、新たなバッグを調べ、選ぶプロセスが非常に面倒です。バッグの買い換えを検討する段階から、実際に手に取るまでのトータルの時間はバカになりません。であれば、ハイブランドバッグを買って10年間バッグのことを意識から完全除去する方が時間的コスパはよくなります。
アインシュタインやスティーブ・ジョブズは毎日の服選びにマインドシェアが取られるのがいやで、同じ服を着ていたというのは有名な話です。それと同じく、たかがバッグ、されどバッグにマインドシェアを取られないためにも、一度買ったら細かい意識を向けなくて済むものを持つことは、時間的な合理性に優れています。