日経平均が急落。下げ幅は2000年4月17日以来、歴代8位の大きさ
2016年6月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より1,286円33銭安の14,952円02銭となりました。年初来最安値を更新する、2014年10月21日以来およそ1年8か月ぶりの安値となりました。下げ幅は、2000年4月17日以来、約16年2か月ぶり、歴代8位の大きさです。
23日に英国で欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が行われました。同日の午後10時(日本時間24日午前6時)に投票が締め切られ、即日開票されました。賛否はきっ抗していたものの、当初は残留派が有利と伝えられていました。しかし、開票が進むと、しだいに離脱の票が多数を占めることが確実になってきました。
このショックで、世界の金融市場も大荒れとなりました。国内外の株式市場は全面安となりました。投資家の資金は比較的に安全とされる円や金に流れ、円は一時、1ドル=99円台にまで急騰しました。100円以下になったのは、2013年11月以来です。
来週以降の動きですが、まさに予断を許さない状況です。投票の結果を受けて、24日には、日米欧の先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁が緊急会議を開きました。金融市場の混乱が長期化するのを避けるために、ドル資金の供給なども行う考えです。また、麻生太郎財務相は、為替市場の急激な変動は望ましくないとし、必要に応じて対応を行うと表明しました。
しかし、24日の米株式相場は10か月ぶりの大幅安となっています。現状は、世界同時株安といった状況です。来週の株式市場が底値を探り値戻しとなるのか、さらなる下落へと進んでいくのか、現時点では、判断は容易ではありません。
週明けから相場が急激に変動することも考えられます。引き続き、取引およびポジション管理には十分に注意したいところです。
下値めどである2016年2月12日の安値も下抜け、新たな大きな下降トレンドが形成された
今週の動きをテクニカル面から見てみましょう。先週は週初に、EU離脱を巡る国民投票で残留派が盛り返していると伝わり、窓を開けた陽線で始まりました。その後も陽線が続くともに、16,000円台をつける堅調な動きとなっていました。24日も、投票の結果が伝わるまでは、16,389円の高値となっていました。
しかし、離脱派の勝利が明らかになると、直近の下値めどである6月16日の安値(15,395円)を一気に超え、年初来最安値である2月12日の14,865円を下回る14,864円まで急落しました。このことにより、新たな大きな下降トレンドが形成されたことになります。
警戒感は必要だが、押し目買いのチャンスにも期待
来週はまず、24日の安値である14,864円を再度下抜けるか注目したいところです。ここを抜けると、目線は完全に下になります。その場合の下値のめどは、2014年10月17日の安値(14,529円)となります。
ここを抜けると今度は、2014年4月11日の安値(13,885円)あたりまで視野に入ってきます。ただし、14,000円前後は、過去に節が多く、このあたりでもみ合うことも考えられます。
一方で、年初来最安値を更新したとはいうものの、その差は1円です。2月12日の安値で下げ止まったと見ることもできます。
24日には、わずか1日で大きな下げ幅となりました。オシレーター系の指標はもちろん「売られすぎ」を示しており、反発もありそうです。警戒感は必要ですが、14,800円~14,900円あたりでサポートされるようであれば押し目買いのチャンスにもなりそうです。
下原 一晃