海外と英語
海外に住む場合は、いくつかの国では「英語」を話すことになります。
日常的に強制的に英語を話す機会に恵まれ、「無料」で英語力を鍛えられる環境に身を置くことは特に英語学習者からは「羨ましい」という眼差しで見られることでしょう。
しかし、そう甘くないのが現実です。筆者は米国の大学に留学し、会計学を専攻して単位取得して帰国しました。その話をすると「現地のアメリカ人と机を並べて勉強したのだから、英語力は伸びたのでしょう!?」と言われます。
確かに専門分野である「米国会計」についての知識が深く付き、ディスカッションやプレゼンテーション、資料を素早く読み、レポートを書く力は付きました。
でも、多くの人が想像する「英会話」については、あまり成長した感覚はありませんでした。米国での大学生活の多くを占めるのは「読解」です。「次の講義までに200ページ読んでレポートにまとめなさい」など、めまいがするほどリーディングアサインメントがあり、米国での大学生活には「一日中楽しい英会話」なんてするヒマがないのです。
さらに、日本人が英語力を身につけることで有利な立場に立てるのは、日本に住んでいる場合に限ります。
英語圏ではどれだけ英語が上手な日本人でも母国語ではなく、語学力は現地の人に劣りますから、思っているより良い思いが出来るものではありません。もとい、自身の語学力の限界を感じてガッカリすることも多いのではないでしょうか。
その結果、長く海外に身を置く人の中には「もう英語なんて聞きたくない。思い切り日本語で話したい」とストレスを抱える人も出てくるのです。