実験結果として、1人で実験された人たちはバラバラの回答をしましたが。3人で一緒に実験された人たちは次第に同じ回答をするようになりました。
このことからも、本来はバラバラの見解を持っているにもかかわらず、何人かで意見を交わすと全員が同じような見解に落ち着くという同調性を見ることができるでしょう。
まとめ
「みんながやっているから」という理由で物事を判断してしまう同調性について、いくつかの実験を交えながら紹介してきました。現在の新型コロナウイルス拡大に起因する騒動を読み解くヒントがあったのではないでしょうか。
インターネットが普及し、多くの人が多くの情報を瞬時に手に入れられる時代だからこそ、物事の判断が難しくなり、私たちは同調性に従って行動してしまう傾向にあります。
上記3つの同調性に関する実験からも、私たち人間にはもともと同調性が備わっているということが分かります。したがって、どんなに頭がいい人でも深く考えないと同調性が強く現れ、デマ情報に流されてしまう危険性が潜んでいるのです。
今こそ多くの情報や多数派の意見に流されずに、一度立ち止まって情報の真偽を考え、行動していく力が求められているのかもしれません。
【参考資料】
「Studies of independence and conformity: A minority of one against a unanimous majority Psychological Monographs, 70 (Whole No. 416)」(Solomon E. Asch)
「実践 行動経済学」(リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン、遠藤真美)
鈴木 拓人