この実験の答えは単純明快で、誰でも答えられるような問題なのですが、グループ(被験者1人を除き、全員がサクラ)を一部屋に入れて、サクラが「間違った線」をワザと選んで回答したところ、被験者も最初は「正解の線」を選んでいたにもかかわらず、自分以外の人の回答を聞いた後には「間違った線」を選ぶようになったのです。
この実験を、被験者を変えて何度も行ったところ、36.8%もの人が間違えた回答をしたそうです。
つまり、人は何が正しいのか分かっていても、周りに流されてしまう同調性を持っていると言えるでしょう。
同調性に関する実験:その2
2つ目の実験は、アメリカのミネソタ州当局によって納税者を対象に行われた実験です。
まず納税者を4グループに分け、それぞれ税金に関する4種類の情報を1つずつ伝えました。その情報の内容は、「税金の使い道」、「納税しなかった場合の罰則」、「申告書の書き方」、「ミネソタの納税率は90%である」という情報です。
すると、「ミネソタの納税率は90%である」という情報を得たグループが、最も納税に協力的になったそうです。
この結果から、「みんながやっているから」という同調性は何らかの行動を促す強い原動力となることが分かります。
同調性に関する実験:その3
3つ目は、1958年にトルコの心理学者ミュザファー・シェリフ氏が行った同調実験です。
この実験では暗闇で光を動かし、後で「光が何センチ動いたか」を質問します。