日銀の債務超過は問題ない
日銀が債務超過になったら、日銀に増資をさせて政府が引き受ければ良いのです。日銀が倒産したり日銀券のありがたみが薄れたりしたら大変ですから、政府は必ず日銀の増資を引き受けるでしょう。何の問題もありません。
そもそも日銀の資本金は1億円です。債務超過になったら困るということならば、もっと大きな資本金にすれば良いのに、そうしていないのは、いつでも増資ができると考えているからでしょう。
日銀が数兆円の債務超過になり、数兆円の増資を政府が引き受けたとします。政府は数兆円を使って「債務超過の会社の株券という紙くずのようなもの」を取得したことになりますが、問題ないのでしょうか。
政府の借金が数兆円増えることは、問題ないとは言いませんが、1100兆円の借金が数兆円増えたからと言って、それを大問題だというのも変な話でしょう。「海の水を一口飲んだら海の水が減る」というのと同様に、正しいけれども特段の意味はないですよね(笑)。
そもそも政府の借金が1100兆円もあることが問題だ、というのはその通りですが、それは別の機会に論じましょう。
余談ですが、日銀は黒字になるとそれを国庫に納めます。過去に納めた分を政府から返してもらえば、増資をする必要などないかもしれません。しかし、それを言うと、「倒産しそうな民間企業は過去に支払った法人税を政府から返してもらえば良い」という話になりますから、これも本稿では論じないことにしましょう。