上海開業でもTDRの来園者が増える?オリエンタルランドの次の一手は
6月16日、上海ディズニーランドが開園しました。東京、香港に次いでアジアで3つ目です。開園初日は園内での混乱の様子やマナーの悪さに関する報道が目につきました。
3時間圏内に暮らす約3億人(!)をターゲットとし、初年度1,500万人の入園者を見込んでいる上海ディズニーランドですが、入園券は日本円にすると約8,000円。2016年4月に2年連続で値上げした東京ディズニーリゾート(以下、TDR)のワンデーパスポートは7,400円ですので、それよりもさらに割高です。それでも数万人分は売れたといいますから、今後のポテンシャルは非常に大きいといえるでしょう。
そうなると気になるのは、TDRの来園者はこれからどう推移するのか、ということです。TDRはここ数年、中国をはじめとした訪日観光客による来園者数を増やしてきました。今後、中国からの観光客が上海・香港中心になり、東京への来園者は減るのでしょうか。来園者にとって混雑緩和はありがたいことですが、TDRを運営するオリエンタルランド(4661)からしてみれば来園者数の減少は売上の減少に直結します。来園者が減少しないよう手を打ってくるところでしょう。
オリエンタルランドが2016年4月27日に公表した決算説明会資料を見てみると、TDRの2016年度予想来園者数は4期連続の3,000万人超えとなる3,040万人。東京ディズニーシーの開園15周年イベントなどや、約35億円を投資し2016年7月にオープンする新しいミュージカルショーの効果などが見込まれているようです。
2015年度に181万人だった海外からの来園者についても、東南アジアでの営業を強化して、確保していく構えです。英語・中国語・韓国語に加え、タイ語とインドネシア語のウェブサイトを開設するなどしてPRを強化しています。
ネット上では上海の開業によって、混雑解消に期待するコメントも数多く見られます。4月の決算説明会でもアナリストから「来園者の満足度が低くなっているのではないか」という質問が飛び出したようです。オリエンタルランドは「季節や曜日によっては混雑感が増す日が増えてきていることは事実であり、早急に改善すべき課題であると認識している」と回答しています。「より高いゲスト満足度をともなった入園者3,000万人レベル」の持続を掲げるオリエンタルランドの展開が注目されます。
まとめ
朝から夜まで楽しめるのがTDRの醍醐味ですが、これから夏に向けてお出かけの際には熱中症にも気を付けてくださいね。
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LIMO編集部