否めない孤独感

人間は社会的な動物です。多くの人は群れに属して、チームプレーをすることの方が、完全に一人でソロプレイヤーとして働くより能力を発揮できるものです。

ソロプレイヤーとして力を発揮できるタイプは、テレワークを何の苦痛にも感じないでしょう。筆者もその一人なのでよく分かります。しかし、これまで同僚や上司とコミュニケーションを取りながらチームプレーをしていた社員にとって、突然、テレワークで社会から切り離されて孤独を感じる辛い状況になっている人もいるのではないでしょうか。

アドビ システムズ社がテレワークについて行った調査結果(※2)によると、テレワークスタイルでの心理的・身体的な課題として次のようなものがあったといいます。

「同僚とのコミュニケーションの量が減る」(38.4%)
「時間管理が難しい」(30.0%)
「運動不足になる」(26.8%)
「孤独を感じる」(16.4%)

特に会社員として、チームプレーに慣れている人にとっては、突然ソロプレイやリモートでのチームプレーを余儀なくされると、孤独に感じてしまうと推測されます。

心理的側面の他にも、ビジネスチャットやビデオ通話でのコミュニケーションがやりづらい。体を動かさないので、頭は疲れているのに体は元気、という状態に違和感を覚える人もいるようです。そのため、通勤電車に乗らなくて楽をしたはずなのに、ジョギングやジム通いであえて疲れることをする、という状況になっている人も。

結局、どこまでテクノロジーが発達しても、ソフトウェアというべき人間の心理的な本質は変化がありません。理論上、リモートワークが便利なワークスタイルであったとしても、ずっと続けていくことは多くの人にとっては幸福につながらないように思えます。

COVID-19の蔓延によって、突然顕在化したテレワークのメリットとデメリット。COVID-19への対応とともに、テレワークにどこまで適応できるのかが問われています。

【参考】
(※1)「リモートワーク・テレワークに関するアンケート調査」ペーパーロジック
(※2)「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査」アドビ システムズ

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央