「日銀が全上場企業の100%株主になる日」は来るのか? フィクションで考える金融政策の蹉跌

三重山:そうか。もう何もないか。そうだよな。俺たちは手を尽くしたよな。阿比政権からやいのやいのつつかれ、効果はないと分かっていても国債もETFも買いまくったもんな。黒口、お前にも無理を言って悪かった。許してくれ。

黒口:総裁、気にしないでください。所詮私も公務員。政権には盾つけません。もっとも自分のカネで株を買ったわけではないので、気は楽で・・・。

三重山:おい、黒口。お前、今なんて言った? 自分のカネで株を買ったわけではない、って言わなかったか。

黒口:はい。

三重山:それだ、黒口。あったぞ手が。自分のカネだ。自分のカネで株を買えばいいんだ。買いまくれば。

黒口:でも総裁、そんなカネどこにあるんですか。ひょっとして、総裁、昨年のボーナスを全額つぎ込んで底値買いするってわけですか?

三重山: アホ。俺たちは誰だ。天下の日銀だぞ。カネは唸るほどある。なければ輪転機を回してもいいし、今はやりのブロックチェーンとやらを使った“日銀コイン”を発行してもいい。

黒口:で、何を買おうと? また国債とETFですか?

三重山:ちがう。そんなチンケなことはもう金輪際だ。景気にも金融にも全く効果がないことが証明されたろう。むしろ逆効果だ。

黒口: すいません。

日銀が全上場企業に株式公開買付を宣言!?

三重山:いいか。俺のプランはこうだ。日銀のカネで日本の全上場企業のすべての株を買うんだ。日銀が全上場企業に株式公開買付を宣言する、略して日銀TOBだ。

黒口: は? 総裁、正気ですか。

三重山:昨日飲みすぎたが、正気も正気だ。トヤタ、NNTドッチ、NNT、ソフタバンカ、サニー・・・、全部だ、全部。全部買うんだ。

黒口: ・・・。

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。