新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う一斉休校への対策として、内閣府は国が企業に補助する従業員のベビーシッター利用料の上限を、3月に限り引き上げることを決めています。

このようにシッター利用を推奨するような動きがある一方で、日本では他人に子供を預ける文化がまだ定着していないため、自分のこととなると抵抗のある方も多いのではないでしょうか。

また、いざ預けようとすると子どもに泣かれたり、夫からは「やっぱりママがいいんだよ」と責められたり…。子どものそばにいるのは母親でないとだめなの?と、苦しくなってしまいますよね。

この「やっぱりママがいいんだよ」という言葉に象徴される、”母親神話”は本当なのでしょうか。論文の結果を元に検証していきましょう。

1. 血のつながった母親でないとダメ?

赤ちゃん(生後0カ月から20カ月)の間に養子になった子どもが、養子になって3カ月以上たった頃に、新しい母親に対して安心感を感じているかどうか測定した実験があります。

その結果、52%の子どもが、血縁のない新しい母親に対して、健全な安心感を持つことができるようになったと報告されています。しかも、生後何カ月で養子になったかということは関係がありませんでした。