日経平均は終値ベースで21,000円割れ、半年ぶりの安値

2020年3月6日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より579円37銭安の20,749円75銭となりました。終値ベースで21,000円を割り込んだのは、2019年9月4日以来、約半年ぶりです。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、アジアだけでなく、欧州、米国にまで広がりつつあります。投資家はリスクオフの動きとなり、世界の株式市場が下落しています。

ただ、リーマンショックのときのように、あらゆる銘柄がつるべ落としのように売られているわけではありません。米ダウ工業株30種平均は、1000ドルを超えて急落したかと思えばその翌日には1000ドルを超えて急騰するなど、乱高下となっています。

今後の展開はどうなるでしょうか。6日の米株式相場は続落し、ダウ平均は前日比256ドル50セント安の25,864ドル78セントで終えています。

同日には2月の米雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数は前月比27万3000人増と、市場予想(約17万人増)を大幅に上回りました。しかし、新型コロナの感染が拡大すると労働市場にも影響を与えると考えた投資家も多く、買われる材料にはなりませんでした。

米連邦準備理事会(FRB)は3日、緊急利下げを決め、カナダやオーストラリアも金融緩和へと追随しました。米国ではさらに、17~18日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)でも大幅な追加利下げに動くとの見方が優勢です。

ただ、金融政策をとったとしても、実際に、人やモノの流れが停滞しているのが大きなネックです。特に日本では、中国や韓国からの入国が大幅に制限されることになり、インバウンド市場などへの影響も懸念されます。

さらに気になるのは、先週、為替が一気に円高方向に振れたことです。6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比80銭円高・ドル安の1ドル=105円30~40銭で取引を終えています。

日本株は週初から売られる展開になることも予想されるので注意が必要です。