中期的な上昇トレンドラインも割り込む

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初は米株の上昇を受けて連れ高となり大きな陽線となりました。翌日も窓をあけて上昇して寄り付きます。

その後は、陽線と陰線が交互に出るような乱高下となりました。一時は5日移動平均線を回復するような動きもありましたが、6日には窓をあけて下落しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。75日線、25日線、5日線によるデッドクロスが形成され、扇型のように開いています。これは典型的な下降トレンドのサインです。

先週は目先意識されやすい21,000円付近で下値をサポートされる動きもあったのですが、週末にそれを割り込んでしまったのも心配なところです。

さらに注目すべきは、先週の下落により、週足など中期的な上昇トレンドラインの下限を割り込んでしまったことです。このチャネルは、2018年12月を大底とする比較的長い上昇トレンドでした。ここを割ってしまったことで、中期的にも下降トレンドに変わる可能性があります。

当面の下値メドとしては2019年8月26日の20,261円になります。これを下回ると中期的にも下降トレンドが完成してしまいます。

逆に今週、21,000円台を回復し、下値をサポートされるような動きになることも考えられます。RSIなどオシレーター系の指標は「売られすぎ」の水準となっているため、売り一巡からの自律反発が期待できるかもしれません。

下原 一晃