一方で、「早く片付けなさいって言ってるでしょう!」「自分でやって!」「うるさい!」といったような、ママたち自身のイライラからくる大声の裏には、「子供が自分の思い通りにならない」という気持ちがあります。こういった場合には「しつけ」ではなく、子どもを「支配」するための手段になってしまっているのかもしれません。

このように、「怒鳴る」=「ダメな親」と一概には言えないことが分かります。大きな声を出してしまいそうになったときには、それが子供のためを思っての「しつけ」なのか、それとも自分の感情に任せた「支配」のために怒鳴ろうとしているのか、毎回は難しいかもしれませんが、できる限り落ち着いて、一度冷静に考えられるといいかもしれませんね。

肩ひじ張らない、少しの「ムダ時間」が毎日の育児を楽にしてくれる

とはいえ、ママたちだって人間です。いつも自分の感情を制御して、論理的に子供を諭すことができるわけではありません。その「完璧」を目指して頑張り続けることで、かえって毎日の育児が息苦しいものになってしまい、ストレスやイライラからまた感情的に怒鳴ってしまう…という悪循環に陥ってしまうこともあります。

また、周囲から求められる「良き母親」に近づかなければ、というプレッシャーに苦しめられている人も少なくないでしょう。「家事も育児も一人で完璧にこなす理想のお母さん像」は、特にママたちの親や義両親の世代には未だ根強いものです。共働きの家庭が増えてパパも家事や育児を分担することが当たり前になってきているとはいえ、そうした周囲からの期待に応えようと頑張り過ぎてしまうことが、ママたちの心や身体の負担を大きくしている場合もあります。