シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「吉野家」他を運営する吉野家HD(9861)の、2020年2月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。
直近の月次実績
2020年3月に更新された吉野家HDの2020年2月既存店売上高は、対前年同月比97.9%とマイナス成長。内訳は客数85.5%、客単価114.5%で、昨年2月の大型キャンペーンの反動による大幅な客数減が響いた形です。
一方、全店売上高も昨年2月のキャンペーンの反動はありましたが、100.1%とわずかながらプラス成長となりました。
今期の既存店売上高の振り返り
では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は2月決算)。
既存店売上高は、イレギュラーな数字となった2月を除き、全ての月で対前年同月比でプラス成長を達成。客数のマイナス月が4カ月発生したものの、客単価は全ての月でプラスとなり堅調な推移を見せました。
全店売上高は今期全ての月がプラス成長。客単価は既存店同様全ての月でプラスとなり、また客数もイレギュラーな2月を除き11カ月プラスであり、既存店以上に好調に推移しました。
過去1年の株価動向
最後に同社の株価動向を見ていきましょう。
同社の株価は2018年以降1,600円台で底値を形成し、2019年5月から上昇を開始。その後は上昇が続き2020年1月には3,000円を突破しました。
しかし3,000円超えが天井となり落下に転じ、2月後半の株式市場全体の下落の影響もあり、3月10日時点で2,000円台にまで下落しています。
今期は既存店・全店ともに堅調な推移を見せました。新型コロナウイルス問題の影響が本格化する来期は、3月からどのような数字でスタートするのかという点が注目されます。
参考資料:吉野家月次報告(2019年度)
LIMO編集部