家庭でも職場でも育休取得のメリットが

Aさんにとって、育休取得のメリットはなんだったのでしょうか。

「育休を取ってよかったと思う一番の理由は、妻のサポートをしながら家族としての時間をしっかり確保できたこと。『産後で体力も心も不安定な妻を助けなかったことで恨まれている』という話を聞くこともあるけれど、そうならなくてよかった。特にうちは第1子がいて、その世話も大変だった。夫婦で協力できたのは、人生にとって大きなプラスだと思う」と言います。

たしかに、子どもを産んだ後のボロボロの体とアンバランスな精神状態の中で、子ども2人の育児をするのはとても大変なはずです。そんな時期にサポートができたというのは、今後の家族のことを考えても大事なことですね。

「それに、職場の人のやさしさを知れたのも大きい。もともと仲は悪くなかったけれど、みんながすごく協力的だった。育休から復帰しても時短勤務をさせてくれているし、妻の体調が悪くて自分が子どもを見なければならないときも『何をやっておけばいい?』と聞いてくれる。その分、自分も誰かが困っているときには助けたいと思えるし、職場の雰囲気が良くなった気がする」と話してくれました。

家族だけではなく、職場にもプラスの効果があったというのは素晴らしいことです。

育休取得するデメリットはない!?

逆に、育休を取得することによるデメリットはないのでしょうか。Aさんは、「デメリットというデメリットはないと思う」と言います。「今の会社の制度上、給料が出ないというのは承知のうえで育休を取得したし、1か月分のお給料が出ないくらいであればまだ大丈夫。それを上回るいいことがあったから、そこには何も文句はない」とのこと。