東京オリンピックの開催まで半年を切ったというのに、いまだにボランティアの位置付けについては混乱があるようだ。私(ライター)は、大会ボランティアとして参加する予定だが、評判が悪いまま大会に参加するのは不安だ。そこで組織委員会を取材。
シリーズ最後の第5回は、熱中症対策やアシスタントキャスト、ボランティア研修の延期などについての疑問を中心に聞いている。
取材に答えてくれた、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の担当者は以下の通り。
総務局 ボランティア推進部 部長 兼 人事部 担当部長 傳 夏樹氏
総務局 ボランティア推進部 ボランティア推進課長代理 古瀬 浩一氏
総務局 人事部 採用課長 朱 賢太氏
<取材・文/下原一晃 フリーライター。東京五輪・パラリンピックに、大会ボランティア(フィールドキャスト)および、東京都の都市ボランティア(シティキャスト)として参加予定>
熱中症対策はどうする? 終電で会場に入る活動はあるの?
――東京2020大会の開催中はかなりの暑さになることが予想されています。都市ボランティアの場合、運営する自治体によって活動場所や活動内容、さらには気温が異なるものの、おおむね屋外での活動となります。東京都の都市ボランティアでは熱中症対策として、2つのチームが1時間ごとに交代するようなシフトも検討しているようです。
大会ボランティアでは対策はどのようになっていますか。
傳:大会ボランティアの場合、屋内の競技場もあれば、屋外の競技場もあります。競技によってセッション時間なども異なりますので、競技ごと、会場ごとに、どのようなシフトがいいのか異なるかと思います。30分ごとに交代するのがいいのか、1時間ごとに交代するのがいいのか、あるいは一定の時間内に自由に休憩するのがいいのかといった具合です。
ただ、これもその日の気温、ボランティアの方の体調などによっても異なるため、いろいろなパターンを用意して、何よりも無理をしないで自分に合ったパターンで活動できるようにしたいと考えています。もちろん、競技が行われている時間帯には一定の人員が必要なので、そこをどうするのかは細かい調整が必要です。
古瀬:大切なのは、ボランティアの方ご自身で小まめな水分補給を行うとともに、無理をしないことです。つらければつらいと気軽に言えるような雰囲気作りも大切です。ボランティアリーダーもいい関係を作り、お声がけができるようリーダー研修などでも念押しをしていきます。
朱:職員側にもその意識は徹底させます。ボランティアの体調管理も重要な仕事だと研修などの場で伝えます。