一方で、コントラクターADの競技やそれにともなうボランティアの活動内容に関して理解不足も生じ、そのことが今回の混乱を招きました。

組織委としてもコントラクターADの習熟度を高める必要がありましたが、研修等が決して十分ではありませんでした。今回の反省を踏まえ、各自治体などとより密接に連携をはかるとともに、ボランティアの皆さんが安心して活動できるためにはどうすればいいか、対策を進めているところです。

組織委員会 総務局 ボランティア推進部 ボランティア推進課長代理 古瀬 浩一氏


――自転車競技については、コースが複数の都県、自治体にまたがるとともに、コースサポーターという大会ボランティアとも異なるボランティアを別途募集・運営するという仕組みになっているため、コントラクターADという委託スタッフがいるわけですね。本番ではきちんと機能することを願っています。

では、別な競技ではどうですか。若いからダメというわけではないですが、ボランティア経験の浅い組織委の派遣スタッフが、経験豊富なボランティアのリーダーに、的を射ないような指示を出すことはありませんか。

:そのようなことが起こらないよう、組織委の派遣職員の採用や配属、さらに研修は入念に行う計画です。

――パソナの広告では、応募資格として「アルバイトの場合はリーダー経験ある方」といった記載もあります。失礼な言い方になりますが、アルバイトしか経験のない人が、大勢の人が活動する現場にいきなり配属されて仕事ができるものでしょうか。

:もちろん、先ほどの事故対応や、医療クラークとして医師とコミュニケーションをはかりクリニック運営をサポートするような仕事は、経験者のほうが適しているかもしれません。しかし、たとえアルバイトの方であっても、リーダーとして店舗で他のアルバイトの勤怠管理などをしていたような人であればボランティアのシフト管理などでも即戦力になるのではないかと考えております。