暇を持て余して元気がなくなる人もいる

電機メーカーに勤める父親が早期退職したというDさん。56歳で退職した後は、『早めに老後を楽しむ』と意気込んでいたものの、最近元気がないのだと言います。

「父は1年過ぎたくらいから暇を持て余すようになり、次第に元気がなくなってしまった。やっぱり人間には仕事が必要なんだなと思った」と話します。これといった趣味がないお父さんを心配し、Dさんがキャンプやスポーツ観戦に連れ出したりしているようなのですが、いまいちハマらないのだといいます。

「ゴルフも仕事の仲間とよく行っていたから、またやればいいじゃないかとすすめても、『あれは気ごころ知れた人と一緒に行くからいいのであって、一人で打ちっぱなしに行っても仕方ない』と言う。それに『ゴルフに行こう』という話をする場もないし、連絡を取り合う仲間もいないようだ」と嘆きます。

一つの会社でずっと勤めてきたという場合、職場というコミュニティがなくなると世間とのつながりが薄れてしまうのかもしれません。

おわりに

早期退職するときにはCさんの言う通り、しっかりと事前準備をしておくことが大切です。何も考えずに退職金の条件だけ見て決めると後悔することになるかもしれません。早期退職して起業するにしろ、再就職するにしろ、計画的に事を進める必要があるでしょう。

大塚 ちえ