株式市場の振り返り-粗い動きの中で続伸、日経平均株価は久々の高値引け
2016年6月8日(水)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.9%の上昇、TOPIXも+0.8%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+1.3%の上昇となりました。いずれも続伸です。
8日の日経平均株価は、上に下に忙しい動きを見せました。NY市場の小幅高等を受けて、前日比+47円高で寄り付いたものの、売り買いが交錯した後、一時▲93円安まで下落しました。しかし、後場は開始から再び買いが優勢となり、前日比+80円高付近を推移する時間が続きます。しかし、最後は押し上げられるような形で上昇し、大引けは+155円高の16,830円となりました。久しぶりの高値引けとなり、16,800円台を回復しています。
東証1部で上昇したのは1,248銘柄、値下がり557銘柄、変わらず151銘柄でした。東証1部の出来高は16億6,613万株、売買代金は1兆8,207億円(概算)となっています。株価は上昇しましたが、商いは依然として低水準でした。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中27業種が上昇するものの、大きな特徴は無し
東証1部で上昇したのは27業種、下落したのは6業種でした。上昇した業種は多かったものの、主力セクターの上昇は小幅に止まっており、全体的に大きな特徴は見られませんでした。強いて言えば、銀行以外の金融セクターが弱かったことでしょうか。
個別銘柄では、信越化学工業(4063)、アステラス製薬(4503)、パナソニック(6752)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが上昇した一方で、KDDI(9433)や電通(4324)などが値を下げました。
本日(6月9日)の注目点-メジャーSQを控えた展開の中、下値を意識し始めるのは有効に
8日の相場は、昨日に指摘した通り、週末のメジャーSQ(特別清算指数)の算出を控えた粗い値動きになりました。9日(木)もこのような展開が続くと予想されます。日々の低調な商いを見る限り、本格的な上昇相場にはもう少し時間を要する見込みですが、中期的なトレンドは上向きになりつつあります。下値を意識して、コツコツ拾うのは有効と考えられます。
一方、週末のメジャーSQを終えると、来週は日米の金融政策が注目点になります。今回は“無風”“平穏無事”がコンセンサスになっていますが、最近のサプライズ続出を勘案すると、決めつけは禁物かもしれません。投資資金の余裕があるならば、金融緩和がプラスに効きそうな不動産や建設などの安値も意識したいところです。
青山 諭志