「私は一緒にいる時間が長いのでついつい娘の欠点に目がいってしまいます。ダメだと思いつつも日常的に小言をいう。時にはきつく叱ることもあるため、娘の『逃げ場』として夫にはフラットな立場でいてほしいと思っています。女の子ということもあり、ときには私とにらみ合い冷戦になることも。

そんなときこそ、夫が出てきて娘とじっくり話す。私には言わないような本音が飛び出すこともあるので、夫の信頼の高さはかなりのものだと思います。ただ、気をつけなくてはと思っているのが『パパは怖くない』となめられること。これではパパに対してだけワガママを言いかねません。そのため、常々『いつもはママの方が怖いけど、怒ったら本当に怖いのはパパだからね』と娘の耳元でささやいています」

それぞれの立場から娘さんと接しているYさんご夫婦。これだけの関りをしてくれるのであれば、パパが大好きなのも頷けます。

疎外感がなく居場所がある

時間にしてしまうと、どうしてもママの方が一緒にいる機会が多い子育て。しかし、関わり方ひとつで「絵本はパパがいい」「パパと一緒に寝たい」なんて子に育つことは可能です。あまりのパパ贔屓に、ママがときどき寂しくなるなんてことも夢ではありません。

「パパが参加する育児は、ママの動きを自由にすると同時にパパの疎外感もなくなるメリットもあるのでは」とYさん。「反抗期をむかえるまでわかりませんが、今はうまくいっています」と語ってくれました。

パパっ子は限られた条件の人にしかできないと思われがちです。しかし、ちょっとしたかかわりや工夫でパパ大好きな子供になるのも可能なのではないでしょうか。何か月も育休を取ることが難しいからといって「ママがいいらしいよ」なんてセリフを吐いていては、子供たちから信頼を得られる存在にはなれません。

育休だけでなくテレワークなども進む中、パパたちがちょっとした工夫や歩み寄りをみせるだけで、今後ママたちの選択肢ももう少し増えていくのではないでしょうか。

佐渡 六花