繰上償還されやすい投資信託の傾向
では、どのような投資信託が繰上償還の対象となるのでしょう。以下は償還(償還・繰上償還)されやすい投資信託の傾向です。
- 設定後3年経過しても残高が100億円以下のもの
- テーマ型投信や流行投信(例:ロボットAI関連や通貨選択型の後追い型)
- 当初残高が数百億円程度あっても、解約超が数年にわたり続いているもの
- 数本のファンドシリーズながら、ほとんど売れなかったもの
- 実質販売会社数が少ないもの(「実質」とは、その投資信託を販売して売上が純増になっている販売会社数の意)
- 株価指数等以上の運用成果を目指すアクティブ・ファンド(ファンドマネジャーの現役在職期間を鑑みれば、同じ投資信託が30年以上運用される可能性は低い)
たとえば老後に向けた資産形成として長期つみたて投資を志向されている方にとって、運用対象である投資信託が運用途中で償還されることは、運用期間の中断や、新しい投資対象を見つけることを余儀なされることを意味します。よって、そのような可能性がある投資信託はできるだけ避けたいものです。
特に、NISAやiDeCo(個人確定拠出年金)で長期運用されている方は、投資対象となる投資信託を吟味することが大切です。投資信託もビジネスですから、儲からない(=信託報酬が損益分岐点に届かない)投資信託はどんどん繰上償還される傾向にあるのが実情です。