「このニンジン、足が2本あるみたいでしょ? 歩き出しそう!」
「見て見て、このサツマイモ。ボールみたいにまん丸だよ!」
子どもたちがはずんだ声で話しています。手にしているのは、いわゆる「規格外」の野菜や果物です。
ニュージーランドにあるオタゴ大学で先頃、子どもたちが規格外の野菜や果物について、どのように考えているのかを把握するための実験が行われました。
大人にはあまり人気がない規格外の商品に対し、子どもたちは「ノー」と言ったのでしょうか、それとも「イエス」と言ったのでしょうか?
見た目が悪いだけで、処分されている野菜や果物
食品ロスと廃棄は世界各国が取り組む問題です。国際連合食糧農業機関(FAO)は、2030年までにそれを半減させることを目指しています。
生産時に用いられる資源が無駄になるだけでなく、消費されないにも関わらず生産を行うことは、食料品自体の経済的価値が失われ、温室効果ガスの無駄な排出にも通じています。
残念なことに、世界中で年に45%が、規格外という理由だけで、サプライチェーンのさまざまな段階で捨てられているそうです。
これが排出される温室効果ガスの最大10%を占めることを、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書が指摘しています。捨てられる理由のほとんどは「見た目が悪いから」だといいます。