食品ロスと廃棄を半減させるには、どの段階で何をしたらいいのでしょうか。FAOの目標を採択しているニュージーランドで先ごろ発表されたのが、オタゴ大学のマーケティング学部博士課程に在籍するアネーシャ・マクハルさんによる実験・調査です。
子どもたちが選んだのは、規格品か規格外品か
アネーシャさんの調査対象者は5~11歳の97人の子どもたちです。
買い物かごと買い物リストを渡された子どもたちは、リストに沿って、テーブルに乗ったバラエティーに富む野菜や果物から各々1種類2個ずつを選び、かごに入れます。テーブル上には、通常スーパーマーケットや店舗で販売することはない規格外のものも含まれています。
子どもたちが選んだのは、形も色もサイズもまちまちな規格外の野菜・果物でした。かえって形がそろい、きれいなものより、ちょっと変な形をしている方が面白いようです。
ねじれていたり、曲がっていたりする野菜を、笑顔で皆口々に「好き」「かわいい」と言います。これらを人や動物、身の周りのものに見立て、ほかにはない形をしているのだから、きっとおいしいに違いないと想像するのだそうです。
アネーシャさんは、形やサイズもさまざまで、時には何かがぶつかり傷が付いた、いわゆる規格外農産物を廃棄せずに、子ども向きに売れないだろうかと考えます。
子どもだけでなく、一般の消費者にも規格外野菜や果物をもっと買ってもらえれば、資源利用も無駄にならず、ごみ処理場もいっぱいにならずに済むのです。