株式市場の振り返り-終わってみれば、意外感のある小幅反落に止まる

2016年6月6日(月)の東京株式市場は小幅反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.4%の下落、TOPIXも▲0.4%の下落で引けています。また、新興市場の東証マザーズ総合指数も▲0.7%の下落となりました。

日経平均株価は、米国雇用統計のネガティブ・サプライズを受ける形で、寄り付きから間もなくして、前日比▲319円安まで下落しました。しかし、あっさりと16,500円を割り込んだ後は切り返す動きが目立ち、後場は16,500円を挟む攻防となりました。大引け直前には一時▲60円安まで下げ幅を縮小し、最後は▲62円安の16,580円で終わっています。朝方の大幅安から見れば、拍子抜けするような小幅安で終わった印象です。

東証1部で上昇したのは595銘柄、値下がり1,233銘柄、変わらず128銘柄でした。東証1部の出来高は18億7,087万株、売買代金は1兆8,267億円(概算)となっています。先週末程ではありませんが、まだ様子見スタンスが強かったようです。

セクター動向と主要銘柄の動き-9業種が上昇、24業種が下落。金融セクターが大きく売られる。

東証1部で上昇したのは9業種、下落したのは24業種となり、先週末とちょうど逆になりました。ただ、中身を見ると、電力・ガス、陸運、情報・通信、食料品などの内需関連業種が引き続き買われています。一方、6日は銀行や証券を始めとする金融セクターが大きく売られたのが特徴でした。

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、日東電工(6988)、JT(2914)などが上昇し、村田製作所(6981)も値を上げました。一方、大和証券グループ本社(8601)、スズキ(7269)、ホンダ(7267)などが値を下げています。

本日(6月7日)の注目点-イエレンFRB議長の講演内容に注目。相場が再び動き出す可能性も。

雇用統計サプライズの割に下げ幅が小さかったのは、6日(現地時間)に行われるイエレンFRB議長の講演内容を見極めたいとする投資家が多かったためと推測されます。講演内容に利上げ時期を示唆するようなことがあれば、株式相場が再び動き出す可能性は十分あるでしょう。4月末の日銀サプライズ、今回の雇用統計サプライズと予想外の結果が相次いでおり、市場のコンセンサスに流されないようにしましょう。いずれにせよ、市場が急変した時に狼狽して追い駆けないことが大切です。

また、イエレン議長の発言内容次第で、為替相場のセンチメントが反転(円安)する可能性もあります。先週後半から下げ続けている輸出関連株は、下値を意識し始めることも一考に値します。

 

青山 諭志