また、別のお母さんからはこんなエピソードも。

──小6の娘のクラスに絶対宿題をしてこない子がいるらしいんです。その子いわく「学校の宿題よりも塾の勉強のほうが意味があるからって、両親が言っている」って。確かにその子は成績優秀。でも、「価値観は人それぞれだ」って子どもが言っていたと聞くと、なんだか釈然としなくて…。これは価値観云々より、ただのワガママでは?と思ってしまう私は古い人間なんですかね?──

まとめ

「多様性」という言葉を都合よく解釈してしまうと、自分の価値観を他人に押し付けるだけ…つまり「ワガママ」になってしまいます。

「多様性を認める」ということは、決して「自分の価値観を他人に押し付けてもいい」ということではなく、自分とは異なる価値観の人を「あぁ、そういう考え方の人もいるんだ」と認め、時には譲り合ってお互いが納得できる着地点を見つけることだと思うのです。

子どもが学校にいる間であれば、まず「学校生活でのルール」という基本を踏まえ、その上でいろいろな意見や考え方に触れ、自分の経験や視野を広めていくことが大切なのではないでしょうか。「多様性」という言葉がひとり歩きし、無秩序や不寛容の隠れミノになってしまうことのないように、と心から願う筆者でした。

大中 千景