なるほど、と書き出してみたところが、今度はそれが目について仕方ない。それにひとつ脳内から家事をリリースしたところで、また新たな家事が思い浮かぶのだから、結局きりがない、という結果に終わりました。

“ていねいな暮らし”ブームの弊害

同じころ、友人がため息交じりにこんなことをつぶやきました。

「“ていねいな暮らし”って…毎日一生懸命頑張ってるのに、こっちが大雑把な暮らししてるみたいに言わないでほしいわ」

いつからか世間でもてはやされるようになった“ていねいな暮らし”。子どもには手作りのお菓子をあげて、ちょっとしたことでもメールやLINEで済ませずに手紙を書いて、お気に入りのカップでじっくり淹れたコーヒーを、お気に入りの音楽とともに楽しんで、作り置きのおかずをたくさん作って…。筆者もそんな暮らしに憧れを抱いています。

でも、どう頭の中で算段しても、1日24時間じゃそんな生活は無理だ、と判断。“ていねいな暮らし”はあくまでもフィクションだ、と捉えるようになりました。

しかし、周りには本当に“ていねいな暮らし”を実践している人がいるのも事実。「○○さんは、ドレッシングや調味料は全部手作りで市販のものを使ったことがないらしい」「○○さんはご飯を土鍋で炊いているらしい」などという話を聞くたびに「すごいなぁ」「えらいなぁ」と思い、「うちはそんな余裕絶対ないわ」とため息をつく。まったく迷惑な暮らしがブームになったものだ、と苦笑いしたものです。