先月末に令和元年度補正予算案が国会で可決されました。注目は「中小企業生産性革命推進事業」として、中小企業の生産性強化を図るための補助金を含め予算が3600億円付いていること。これは例年の3倍の予算です。

どのような補助金がラインナップされているのでしょうか? 確認してみましょう。

1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業

まずは定番のものづくり補助金です。ものづくり補助金とは、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善などを行う中小企業を支援するための補助金。設備投資や自社オリジナルのソフトウェア開発に使えます。

補助金額は100万~1,000万円、補助率は中小企業で1/2、 小規模企業で2/3です。これらはこれまでと変わりません。

2. 小規模事業者持続的発展支援事業

こちらも定番の持続化補助金です。持続化補助金とは、小規模事業者が販路開拓に取り組む費用の2/3が補助されるものです。小規模な企業向けということで、スタートアップやベンチャー企業の多くで利用されています。

補助金額が50万円、補助率が2/3と例年通りなので、対象経費を含めこちらは大きな変更はないと考えられます。

3. サービス等生産性向上IT導入支援事業

いわゆるIT導入補助金です。中小企業がITツール(ソフトウェア、クラウドサービス等)を導入して生産性向上を図るときに、購入費や導入費、利用料が一部補助される制度です。

今回は補助額:30万~450万円、補助率が1/2となりました。前回は最低補助金額が40万円でしたから少し使いやすくなりそうです。

前々回から前回にかけて大きな制度変更があり、運用が強化されました。今回はどのようになるか注目です。

おわりに

上記以外にも、これまで応募締め切りが1~2回程度しかありませんでしたが、今回は通年で公募し、複数の締め切りを設けて審査・採択を行うことになったり、電子申請が基本になったり、初めて応募する方が合格しやすくなったりするようです。

補助金の活用を検討している方は、顧問税理士や中小企業診断士などに相談してみてはいかがでしょうか。

中野 裕哲