株式市場の振り返り-6日ぶりに反落し17,000円割れ、円高進行で下げ幅が拡大
2016年6月1日(水)の東京株式市場は6日ぶりの反落となりました。日経平均株価は前日比▲1.6%の下落、TOPIXも▲1.3%の下落で引けています。また、新興市場の東証マザーズ総合指数も▲1.5%下落して4日ぶりの反落となりました。
日経平均株価は、NY市場の大幅下落を受けて、前日比▲137円安で始まりました。その後は17,100円前後の推移が続きましたが、後場の半ばから急速に円高が進むと、株価も大幅下落に転じました。一時は▲326円安まで下げましたが、最後はやや切り返した結果、▲279円安の16,955円で終わりました。6日ぶりに反落し、終値では3日ぶりに17,000円を割り込みました。
東証1部で上昇したのは473銘柄、値下がり1,350銘柄、変わらず132銘柄でした。東証1部の出来高は19億9,528万株、売買代金は2兆1,155億円(概算)となっています。特殊要因のあった前日を除くと、久方ぶりに売買代金が2兆円を超えたことが、数少ない明るいニュースだったと言えます。
セクター動向と主要銘柄の動き-全業種が下落、内需関連セクターに売りが集まる
東証1部の33業種全てが下落しました。その中でも、内需関連やディフェンシブセクターに売りが集まったようです。取引時間途中から円高が進んだ割には、意外な展開でした。また、個別銘柄では主力株が総崩れとなった中で唯一、ソフトバンクグループ(9984)が小幅上昇となったのが目立っています。
本日の注目点と関連業種-「大胆な経済対策」の中身に注目する一方で、為替相場の動きに注意
夕方に安倍首相の記者会見が行われました。消費再増税の延期の正式発表と共に、「大胆な経済対策」を秋に講じると発表しました。参議院選挙の公示後に、その内容が明らかになると思われますが、その中身に注目です。1日は下落した内需関連株も、まだ物色対象になり得ると思われます。2日(木)は、これらの短期的なリバウンドを狙うのも悪くないでしょう。
週末の米国雇用統計の発表に対する様々な思惑もあり、再び円高が進んでいます。輸出関連株には逆風ですが、一時105円/ドルを付けた5月初旬の時とは市場環境が異なりますので、下値をコツコツと拾うのは一考に値します。
青山 諭志