「老後を迎えるにあたり、徒歩圏内に病院や商業施設がある、駅前のマンションを購入しました。この場所なら、自分で運転できなくなっても移動手段に困らないと思ったからです。近所に習いごと教室もたくさんあり、充実したセカンドライフを送っていますよ。

また、駅前なので物件の価値が下がりにくく、私たち夫婦が最期を迎えたときは売却することもできるでしょう。子ども達には、『いざとなったら売ってくれたらいい』と伝えています。ただ、スムーズに売却するためにも、自分で物を減らしておかなければなりませんね」

「都会に移り住もうかと考えた時期もありましたが、結局『住み慣れたこの土地で生涯を終えたい』という結論に。都会ほどの利便性はありませんが、この土地には思い入れがありますからね。これまで通りの生活ができるので、安心感も大きいです。

ただ、夫婦のどちらかが亡くなったときや、運転ができなくなったときはどうすべきか…という悩みは残っています。今のうちに、介護サービスについて知っておかなければなりませんね」

遺言書についても考えておこう

誰かが亡くなった時には、「どういった葬式をするか」「どう遺品を整理するか」といった悩みが次々と出てくるもの。どの環境でセカンドライフを迎えるにしても、残された人が困らないよう配慮する必要があります。

そこで、不安なく最期を迎えられるよう、「終活」にも取り組んでおきましょう。終活の具体的な取り組みとしては、「持ち物の整理・資産リストの作成・葬儀や墓の備え」の3点が挙げられます。遺産整理をする際は、年間110万円までの非課税枠を活用できる「生前贈与」をしておくのもいいですね。

また、遺言書を作成する場合は、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」のどちらかを選ぶことになります。それぞれの特徴は次の通りです。