新型肺炎拡大の影響で、リスクオフの動きが続く
2020年1月31日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より227円43銭高の23,205円18銭となりました。
週末こそ買い戻しの動きとなりましたが、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の影響が懸念され、週ベースでは大きく下落しました。
世界の株式市場でリスクオフの動きが続いています。日経平均も先週は週初から下げ、27日には前週末比483円67銭安の23,343円51銭と、今年最大の下げ幅となりました。
その後は乱高下となり、一時は反発する場面もありましたが、30日の終値は22,977円75銭と23,000円を割り込み、2019年11月1日以来およそ3か月ぶりの安値となりました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。新型肺炎の懸念はまだ収まりそうにありません。世界保健機関(WHO)は30日、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言を出しました。
米株はそれでも、好業績銘柄を中心に買われる動きでした。しかし、米政府が30日夜、中国への渡航警戒レベルを最高の「渡航中止・退避勧告」に引き上げたことで、米国経済そのものに影響を及ぼすとの懸念が広がり、下落しました。
香港や台湾など、アジアの株式相場も大きく下落しています。上海株市場は1月24日以来、春節の正月休みで休場となっていましたが、今週の休み明けで、大幅に下落して始まるのではないかと心配されます。日経平均も今週、さらに下落する可能性があります。
日本株にとってよくないのは、投資家の間にリスクオフの動きが広がることで、ドルが売られ、比較的安全資産とされる円が買われ、足元で円高傾向になっていることです。31日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は1ドル=108円25~35銭で取引を終えています。約3週間ぶりの円高です。
こうしたことから、しばらくは日経平均についても積極的に買っていくのは難しい局面だと言えます。ただ、一方で、銘柄によっては売れられすぎで割安なものも出てきています。好業績銘柄などを中心に仕込みのチャンスとも言えます。