どうして「アルマイト食器」が採用されたのか?
銀色の軽い食器「アルマイト」が、給食の定番食器だったという人も多いのではないでしょうか? アルマイトには、軽くて耐久性があり、重ねてもかさばらず、耐熱性が高いというメリットがあります。
また、油脂を吸着したり、化学物質が溶けだしたりする恐れがないということで、子供たちに提供する学校給食にはピッタリだったようです。ただ、見た目の冷たい印象や冷たい感触、食器同士や食器が何かに触れたときに大きな音が出るなどのデメリットもありました。
また、熱いものを入れたときに熱くなりすぎて持てなくなってしまうといったこともあり、現在は「強化磁器製食器」や「PEN樹脂製食器」などが採用されています(どの食器を採用するかは学校によります)。
現役教師たちが給食継続を希望する深刻な理由
給食が継続される理由が「子供たちの栄養」を考えてのことであることは、昔も現在も変わらないようです。飽食の時代と言われる現代だからこそ肥満傾向にある子供もいれば、ネグレストやDVなどの虐待から栄養状態がよくない子供たちもいます。
実は、給食セットを食べたあとに筆者の頭をよぎった知人の現役教師の言葉というのが、「夏休みなど長期の休み明けになると、見るからに痩せ細っているような子が必ず数人はいるから、もし給食がなくなったらどうなるんだろう?と先生同士で話題になることも多い」というものでした。そのため、知人の現役教師たちは、強く給食の継続を希望しています。
筆者が、給食がなくなるという話があるのかと尋ねると、「いまはそういう話はないけど、払えるのに給食費が未払いの家庭も多いし、アレルギーとか、いろいろな問題もあるしね…」と深く溜め息をつきました。その様子からは、さまざまな理由で給食の運営が大変になっていることが伝わってきました。
知人の現役教師の話を聞いていると、「どのような子供たちでも学校へ通うことができ、そして学べる環境を」という思いは、130年以上前に家々をまわってお金やお米を集めたお坊さんたちの強い想いと同じだと感じました。また、私たち保護者も給食を継続できる環境を作っていくことが大切であると改めて思いました。
アレルギーや衛生面、費用面など、さまざまな課題を抱える給食ですが、子供たちが平等に学び、そして健康に育っていくためにも、今後も継続されることを願ってやみません。