先ほどのデータでは、「老後の生活への心配がどのくらいあるか」という質問に対し、47.6%が「非常に心配」、「多少心配」が40.7%と回答しています。その理由として最も多いのが「年金や保険が十分ではないから」(72.6%)、次いで多いのが「十分な金融資産がないから」(69.0%)という結果に。年金や保険の不十分さを金融資産でカバーできず、老後への不安を抱えている人の多さがうかがえます。

人気の金融商品から今後の資産形成を考えよう

安心して老後を迎えるためにも、今のうちからしっかりと資産形成をしていきたいところです。では、実際にどのような金融商品が選ばれているのでしょうか。ここで、70歳以上の金融資産保有世帯の金融商品保有額の上位を見てみましょう。

1位…預貯金(892万円、うち定期性預貯金647万円)
2位…生命保険(411万円)
3位…株式(257万円)
4位…投資信託(181万円)
5位…損害保険(70万円)

預貯金だけでなく、生命保険や株式といったさまざまな金融商品で資産形成をしている人が多いようです。とはいえ、今の生活がギリギリの状態だと、金融商品を利用する余裕を生み出すことはできません。まずは財布のなかを整理する、家計簿をつけるようにするなど、支出をコントロールしやすい環境を整えていきましょう。

まとめ

こうみると、同じ70歳以上のなかでも、世帯によって貯蓄状況に大きな差がある様子がうかがえます。「まだまだ先のこと」「退職金で何とかなるだろう」と安易に捉えず、いまからできることを始めてみましょう。金融商品ごとの特徴や家計の状況を知るだけでも、今やるべき取り組みや今後の課題が見えてくるはずですよ。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部