テロリストの中には、本当にお金がなく貧困で、魅力的な給与をくれるテロ組織に加わってしまった者(アフリカの国々など貧困が深刻な国)もいれば、「大学も出たのになぜ俺の待遇は低いんだ?」、「同じ学歴なのになぜ友人は裕福で俺はそれじゃないんだ」のような不満・怒り(社会への不満、社会的孤独感など)を持ち始め、テロの世界にのめり込んでしまう若者(社会やインフラは平均以上に発達しているが格差や差別が激しい国)も多い。
世界中に広まる若者の抗議デモ・暴動
また、テロとまではいかなくても、労働環境はデモ・暴動と密接に関係している。たとえば、今年早々に緊張が高まったイランでは、去年11月中旬以降、政府によるガソリン価格の50%値上げ決定に端を発し、各地で若者らによる反政府デモが激化している。
抗議デモは首都テヘランを中心に各地に広がり、デモ隊は各地のガソリンスタンドや銀行などを次々と襲撃。その一部は治安当局と激しく衝突するなどし、これまでの死者は300人以上、1000人以上が逮捕されたともいわれる。
南米チリでも去年10月下旬以降、政府による地下鉄賃上げ決定に反対する若者らの抗議デモが、首都サンティアゴをはじめ各地に拡大した。若者の一部は略奪行為や建物を放火し、治安当局と衝突するなどしている。
1990年の民政復帰以来、最悪の暴動になっており、去年11月下旬時点で、死者は少なくとも26人、負傷者は1万3500人以上に上ったという。