とはいえ、「お金持ちになる」ことを目標にして、果たして何人の人がお金持ちになれたのでしょうか。具体的な年収の額を目標にして達成したとして、その先には何があるのか、よく考える必要があります。

そして「稼ぐ」方法も、自分にとってまた他人にとっても有意義なものなのか、持続可能であるのか、考えなければなりません。

大阪大学の筒井義郎氏などの『なぜあなたは不幸なのか』によると、年収700万円を超えると幸福度が低下しているようです(※同分野の別の研究では、550~660万円とばらつきがあります)。

収入をあげるためには、努力が必要かもしれませんし、時間が必要かもしれません。また気苦労も増えるかもしれません。「自分にとって大切なもの」をいつも確かめながら、「金額だけを追う生活」にならないようにした方が「幸福」に近づけるといえるでしょう。

誰にとっても平等でお金で買えないものとは?

お金で幸福は買えないとはいえ、お金持ちに憧れる方も多いはず。しかし、お金持ちと貧乏人のどちらも平等に持っているものがあります。

それは「時間」。どんな人も平等に、24時間という限られた時間で1日を過ごしています。通勤電車の中でスマホを見て過ごすのも、スキルアップのために本を読むのも、同じ時間を費やしているのです。

また、幸福と同様に、時間もお金で手に入れることができません。1円でも安く済ませようと遠くのスーパーに行ったり、安売りの日にレジで長蛇の列に並んだりした時間は、二度と戻ってこないのです。お金は節約できたかもしれませんが、その代わりに時間を失っているとも捉えられるでしょう。