「出産をきっかけに仕事を辞めるか、続けるべきか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。経済的な面だけを考えれば、仕事を辞めないほうがお得かもしれませんが、人生で大切にしたいことは人によって異なります。
とはいえ、自分の選択が家族の将来に大きな影響を与えてしまうこともあります。とくに、無計画に仕事を辞めてしまうのはリスキーと言わざるを得ません。
専業主婦vs兼業主婦!生涯年収の差は2億円?
はじめに、厚生労働省が管轄する労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2018 ―労働統計加工指標集―」をもとに、女性の生涯年収をご紹介します。
学校卒業後、フルタイムの正社員を60 歳まで続けた場合、大卒・大学院卒女性の生涯賃金(退職金を含めない)は、2016年時点で約2億2,000万円になります。一方、同じ条件でフルタイムの非正社員(正社員以外)を続けた場合の生涯年収は約1億2,000万円です。
仕事を辞めるタイミングによっても生涯年収は変わってきますが、就職してすぐに結婚・出産して専業主婦を60歳まで続けた場合、正社員女性と比べると2億円以上、非正社員と比べても1億円以上の差がつくことになります。
過半数の女性が出産後も仕事を続ける
つぎに、出産後も仕事を続ける女性が実際にどの程度いるのかについて見ていきましょう。
内閣府共同参画局の「『共同参画』2019年5月号」によると、出産前に仕事に就いていた女性のうち、2010~2014年の期間に第一子出産によって退職した人の割合は46.9%です。就職を継続する人の割合は増加傾向にあり、最新のデータでは53.1%と過半数を占めるまでになっています。