なぜ携帯電話のプランは複雑なのか

まず、なぜ携帯電話のプランは複雑なのでしょうか? その理由は、簡潔に言うと「他社の料金プランとの比較を難しくするため」とも言えます。

データ通信量や通話のかけ放題プラン、海外での利用、さらに期間限定のキャンペーンなど、それらが複雑に提示されるため、料金プランを選ぶ際に検討するべき項目がかなり多くなっていますね。

心理学と経済学が融合された行動経済学という学問では「人は選択肢が多いと選べなくなる」ということが分かっています。

コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガー氏は1995年に「ジャムの実験」を行い、「人は選択肢が多いと選べなくなる」と結論付けました。

この「ジャム理論」から考えると、日本では既に「1人1台以上」携帯電話を保有しており、新規顧客の獲得が容易ではない各携帯会社は、今まさに料金プランを増やして顧客離れを防いでいるとも言えるのではないでしょうか。

したがって、たとえばデータ通信量という項目一つとっても、定額制にするべきか、利用分だけ料金が発生する変額制にするべきか、迷ってしまいますよね。

さらに、そこに期間限定のポイント還元や学割などのキャンペーンが加わると、もう何がなんだか…なんていうことは多々あると思います。

私たちは選択肢が多いと情報の処理が追い付かず、正しい判断できなくなってしまうのです。