2020年は資産運用業界がガラッと変わる起点の年になるのではないかと感じています。
資産運用業界に起きている変化
“温故知新”は筆者の好きな言葉ですが、古きを知ることが本当に役に立つのかどうか不安になることもあります。
資産運用における“温故”は、従来の運用手法や戦略を会得することです。一方、“知新”は新しい運用技術・手法を導入し運用成果に活かすことだと思います。
これを資産運用業界の変化に重ねると、ETFを筆頭に世界的にパッシブ運用(≒インデックス運用)が急速に拡大しています。これは日進月歩するフィンテックやキャッシュレスに同調して、運用手法もより効率化・低コスト化が進んできている証ではないでしょうか。
ファンドマネジャーの運用能力に頼るアクティブ運用が退潮し、株価指数等に運用成果が連動するパッシブ運用が拡大することで、運用能力を向上させるということはどういうことなのかという本源的な疑問にも突き当たります。
拡大を続けるETF市場
さて、米国ではすでに10年以上も前からアクティブ投信への資金流入が流出へと転じ、パッシブ運用を行うETF(上場投信)への資金流入が純増しているのは業界関係者にはよく知られています(図表1)。