運用会社を取り巻く環境は?

こうした状況下、運用会社は二極化が進んでいくと思います。

巨大な資産と資本力を持つ大手はますますオペレーショナルなETF化を進め、アクティブ主体の運用会社やヘッジファンド(プライベート・エクイティ)は超過収益獲得の確実性を極めて生き残りをかけていくと思います。

日本の証券投資信託約6000本(合計残高約122兆円)を各投資信託の純資産総額順で見ると、すでに上位10本のうち9本はETFです。

同様に、上位20本のうちアクティブファンドは半数の10本ありますが、この10本(合計約6兆円)が上位20本(同約45兆円)に占める純資産総額の割合は14%程度にしか過ぎません。

ただし、日銀がETFを購入しているため、ETF(≒日本株インデックスファンド)の割合がより高くなっているのは否めませんが。

自動車は電気化自動運転へ、金融はフィンテックへ、投資信託はETF化(インデックス化)へと進んでいますが、共通することは他業種がいとも簡単にその業種に進出できることです。

ソニーが電気自動車を開発し、ITC業界が金融に進出する中、資産運用業だけが従来のやり方で生き残れるとは思えません。

金融や資産運用は一般消費者からは遠い存在かもしれませんが、読者ご自身が株式や投資信等の有価証券投資を行うこともあります。ぜひこの大きな潮流の変化を知っておいていただきたいと思います。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)