なぜ、今と違うことができなくなるのでしょうか? その答えは「今が最高の状態!」と思ってしまう心理学的な「現状維持バイアス」がかかっているからです。

現状維持バイアスとは簡単に言うと、「今の状態を手放すと損した気持ちになる」ということ。先の例で言うと、子どもが小学校で勉強を頑張ってきたから、そのまま中学校でも頑張らないと、今までの努力が水の泡になってしまうと考えてしまうのです。

また、自分自身の人生の選択において、何か新しい分野に挑戦しようとしても「今の仕事とつながらなくて、もし努力しても無駄になるかもしれない(だからやめておこう)」という思考回路に陥ってしまいがちです。

まとめ

このように、人は無意識のうちに現状を維持しようとしてしまうことが心理学では明らかになっています。したがって、挑戦しようとしているあなた自身が臆病なのではなく、心理的な先入観が挑戦の障壁となり、多くの人が新しい挑戦に二の足を踏んでしまうのです。

しかし、一度新しいことに挑戦してみると、そのあとは心理的な障壁は小さくなっていくので、まずはぜひ「今自分がやりたいこと」に意識を集中させてみてください。

それは、自分の人生をがらりと変える可能性のある挑戦でも、「どうせやっても三日坊主になってしまうから」と避けていた節約や貯金など、日常生活の中の小さな挑戦でもかまいません。もし始めてみて、気分が乗らなかったら止めて、また新しいことに挑戦すればいいだけです。

たまには童心に帰り、難しいことは考えずにとりあえず新しいことを始めてみよう!という心構えも必要かもしれませんね。

鈴木 拓人