株式市場の振り返り-薄商いの中で実質的には3日ぶりの上昇。新興市場は小幅続伸。
2016年5月20日(金)の東京株式市場は実質的には3日ぶりの上昇となりました。日経平均株価は前日比+0.5の上昇、TOPIXも+0.5%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数も+1.1%の上昇となる続伸でした。
日経平均株価は、前日比▲51円安で寄り付いた後、間もなく▲98円安まで下落しました。ただ、その後は切り返し、後場開始から暫くして一時+124円高となる場面が見られました。しかし、そこから上値を追う展開はなく、結局、大引けは+89円高の16,736円で終わっています。
東証1部で上昇したのは1,332銘柄、値下がり481銘柄、変わらず139銘柄でした。東証1部の出来高は18億8,727万株、売買代金は1兆8,831億円(概算)となっています。今週は薄商いが続き、5営業日中4日で売買代金は2兆円割れとなりました。手数料収入が落ち込む証券会社の悲鳴が聞こえてきます。
セクター動向と主要銘柄の動き-29業種が上昇、4業種が下落。上昇業種は多いが、目立った動きなし。
東証1部で上昇したのは29業種、下落したのは4業種でした。上昇率上位は、水産・農林+1.2%、繊維製品+1.0%、その他製品+1.0%、ガラス・土石+0.9%、情報・通信+0.9%などでした。一方、下落した4業種は、ゴム製品▲1.6%、空運▲1.1%、倉庫・運輸▲0.0%、卸売▲0.0%でした。上昇した業種は多かったのですが、主力セクターが大きく買われた様子は見られませんでした。
個別銘柄では、指数寄与度が大きいファーストリティリング(9983)とソフトバンクグループ(9984)が上昇し、トヨタ自動車(7203)も値を上げました。また、ローム(6963)、TDK(6762)、村田製作所(6981)などの電子部品株も上昇が目立ちました。さらに、ライオン(4912)も値を上げて年初来高値を更新しています。下落が目立った小売株では、しまむら(8227)が大幅上昇となりました。
一方、コマツ(6301)や日立建機(6305)などの建機関連が値を下げました。また、指数寄与度の大きい銘柄では、ファナック(6954)、日東電工(6988)、JT(2914)、ブリヂストン(5108)の下落が目立っています。電機セクターではパイオニア(6773)が大幅安となっています。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-伊勢志摩サミット本会議を睨む様子見スタンス。内需関連の下値に注目。
週末20~21日に掛けて、伊勢志摩サミット関連の重要イベントであるG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されました。結論から言うと、この会議の評価は難しいところです。財政出動は各国が独自に判断して行うことになった模様であり、今後の政府景気対策に弾みがついた一方で、一部欧州国の反対などにより全面的な賛同が得られなかった不安も残ります。26~27日のサミット本会議の結果次第でしょうか。
また、注目された為替相場の動向については、方向性は今一つ不透明ですが、一旦は円高リスクが回避されたと見てよさそうです。ただ、ここから更に円安が進むためには、米国の追加利上げ実施などの材料が乏しい状況です。為替影響の大きい銘柄を買い進めるのは、少し待った方がいいかもしれません。
このような状況の下、23日(月)の相場は様子見に徹することを勧めたいと思います。決算発表後に売られ過ぎた銘柄にも、下値を拾う動きが出てきた結果、目立った割安感がなくなりました。ただ、取引時間中に大幅下落するような内需関連株が出てきた場合は、コツコツと拾うのもいいでしょう。
青山 諭志