とある会社に勤務する中堅社員の主人公。元旦に自宅のポストを見ると、直属の上司である係長から年賀状が届いていました。係長に住所を教えた覚えはなく、自分も係長の住所は知りません。「せっかくいただいたし、俺も出すか。」と、折り返し年賀状を送りました。

ところが、年明けの出勤にて、係長が開口一番「君、年賀状が元旦に来ていなかったぞ。俺は出しているのに、失礼じゃないか?」と指摘をしてきました。まあ、確かに後手になったのは失礼にあたるかもしれませんが、これまではもらってなかったことだし、今年は出すつもりがあるなら、それとなく予告をしてくれてもよかったのでは…?と、その指摘に対して、もやっとする主人公。そして、いつものごとく脳内で妄想スイッチが入ります。

「失礼じゃないか」と指摘した係長に対し、「係長、ちょっとライターをお借りできますでしょうか?」と言うと、どこから取り出したのか、元旦に届いた係長の年賀状を差し出す主人公。そして、ライターで、その年賀状をあぶっていきます。すると、くっきりと浮き出てくる「あけましておめでとうございます」の文字…。そう、それは、昔懐かしいあぶり出し。

「実は、それが私からの年賀状です。係長が郵便局で年賀状を買う前に、ちょっと仕込ませていただきました。」とにっこり笑う主人公。「そうか!ちゃんと先にもらっていたんだな!」と納得する係長…。

「いやいや、出す予定の年賀状に仕込みって一体どうやるんだ。郵便局に怒られるぞ…。」(妄想終了)