まずは住居の確保ということで、部屋探しのために義実家に宿泊させてもらったときのことです。ついて早々、「実は部屋はだいたい目をつけておいたの。」と姑が何枚もの図面を出してきたのです。「本当はね、全部契約まで済ませて、あとは引っ越すだけにしてあげようと思ったんだけど…。でも、不動産屋さんが、ご本人たちが来れるならに見てもらえってとりあってくれなくて。
だから、内見の予約だけ入れさせてもらったの。一緒にいきましょうね。」という、全く悪気のない姑の言葉に戸惑うEさん。というのもEさんの感覚では、結婚した子どもの部屋探しに親がついてくるのはおかしいような気がするし、ましてや勝手に契約までしようというのはあり得なかったからです。
内見当日、宣言通り姑はついてきました。夫が運転する車の助手席に乗り込み、あちらに行けこちらに行けと、不動産屋めぐりから内見まで、すべてを仕切る姑。おそらく、人生の先輩として部屋の良し悪しを見極めてくれる気満々だったのでしょう。
最初のうちこそ、まあまあ部屋を見学することができていたEさんでしたが、そのうち子どもたちが家の見学ばかりで飽きてきました。午後ともなると子どもたちを行く先々でなだめすかし、不動産屋さんの話を聞くどころではありません。気もそぞろに見学をしているEさんをよそに、あれやこれやと話をすすめてしまう姑と夫。
しかも、「妻の好きなところでいいよ。」スタンスの夫は、姑の「ここでどう?」という言葉に、よほど嫌なことがない限り「Eさんがいいなら。」と丸投げしてくるのです。結局、姑の「ここがいいんじゃない?」攻撃にあらがえなかったEさんは、適当なところで手を打つしかありませんでした。
引っ越し当日も張り切ってきてくれたけれど
引っ越し当日も姑の世話焼きは続きます。「平日だから男手は集まらないけど、女手は集めたわ。」と、なんと姑、義姉、義妹が引っ越し先のアパートに現れたのです。荷ときをしてあげようという心遣いだったようなのですが、義妹に至っては当時1歳の子どもを連れての登場。