「私はいま目の前の家事で手がいっぱいだから、暇ならこれをやってほしい」「忙しくしている私に気づいて、『これは俺がやるよ』と言い出してこないものか」と心の中で思いながら一向に動かない夫へのイライラを募らせて、ひとり黙々と家事をこなしている、という人は少なくないのではないでしょうか。

この「言わなくても察してほしい妻」と「気づかない・察してくれない夫」の認識のズレこそが、家事・育児の分担をめぐる夫婦間のモヤモヤの大きな要因ひとつ。そんな夫の「鈍感さ」を妻の側が割り切って受け入れることで、家事・育児をめぐる夫婦関係が改善されたという例もあります。

「呑気に子供とテレビを見たり、気まぐれに掃除機をかけたりという程度で家事を分担した気になっている夫に、ずっとイライラしていました。目の前で慌ただしく動いている私へ自分から『俺がやるよ』とひと言かけてくれるのを待ち続けても、一向にそんな声はあがりません。このままでは二人の関係がどんどんギクシャクしてしまうと思い、これまでの『夫が自分で気づいて動くのを待つ』以外のアプローチをしようと考えました」

この方の夫は、朝早くから夜遅くまで働き詰めのぶん、休日には子供と過ごす時間を大切にする子煩悩なパパでした。そこである日「ネットで見たんだけど、パパが家事をする姿を見せると子供に良い影響を与えるんだって」と持ち掛けてみたのです。

「夫の協力が家庭で求められている」ことを分かりやすくアピール

「子供への影響の話を聞いて俄然やる気を出した夫に洗濯物干しを頼むと、子供を巻き込んで、誰が一番多くハンガーに掛けられるかを競争するゲームを始めました。その後も、同じ手法で『廊下のワイパーがけ対決』や『洗濯物畳み競争』など、子供たちと一緒に手伝ってくれています。