法律が正社員に対する評価制度にまで踏み込むことはありませんし、アルバイト同士の時給の差も問題にはなりません。同業他社の給与水準ももちろん関係ありません。あくまで同じ会社の中の正規雇用と非正規雇用の間の差を問題にしているのです。

問題となる場面は、たとえば自分がものすごく仕事ができるアルバイトだとして、単にバイトだからという理由で正社員よりも少ない給与で働いているというケースです。

飲食店などのサービス業などにおいては、アルバイトリーダーのほうが正社員よりも仕事ができるということもあるかもしれません。こうしたときに同一労働同一賃金について、考えなければならないのです。

給与の合理的な差とは?

単に「アルバイトだから」という理由で給与に差を設けるのは同一労働同一賃金に抵触します。しかし、正社員とアルバイトではそもそもの責任の重さに差がある場合があります。

単にやっている仕事だけを切り取って給与を同じにしなさいというのは、特に正社員にとって簡単に納得できるものではないでしょう。そのため、合理的な理由があれば、差を設けてもよいということになっています。

では、合理的な差というのは何でしょうか?

会社によってさまざまですが、一つ重要なポイントは、「客観性」です。単に、「正社員は将来への期待があるから」というぼんやりした理由だけで差があるとしたら、同一労働同一賃金に抵触するでしょう。