2. 仕事後や週末の過ごし方

平日の母親不在の影響は、週末の子供との交渉によって相殺できることが、上の2つの研究で示されています。交渉とは、授乳、おむつ替え、入浴など必須とされる世話ではなく、遊んだり、出かけたり、しつけや教育をすることなどを言います。

では、ワーキングマザーは週末に子供とずっと一緒にいなくてはいけないのかというと、そういうわけではありません。これらの研究で示されているのは、短時間の濃い親子の交渉によって、親子の交渉の少なさが取り戻せるので、いつも親がそばにいなくてはいけないわけではないということです。

その代わり、たとえば一緒に買い物に行くなど子供との日頃の接し方や、子育ての相談をしたり支援をする人がいるなどの養育環境のよさが、子どもの発達にプラスに働くことが報告されています。

おわりに

これから子供を預けて復帰するママも、保育園に預けることに後ろめたさを感じているママも、過度の心配は要りません。こうした研究結果が示すように、保育園に預ける時間の長さは、発育に関係ないと言えるからです。

それよりも、良質な環境の保育園に預けること、週末や仕事後の時間を一緒に楽しく過ごすことが大切です。平日に働きながら無理して子供と一緒にいるのではなく、養育環境さえ良ければ、ママもリフレッシュして大丈夫。お仕事、行ってらっしゃい!

泉 彩