楽しいこともつらいことも両方ある

利用者と会話したり、利用者の仕種を見ているのがとても楽しく、同じ職場の人たちはおもしろい人たちだし、仕事は楽しいと大塚さんはおっしゃいます。その一方で、人手不足で忙しかったり夜勤がきつかったりでつらいことも。このしんどさは大塚さんの職場だけでなく、介護業界全体のことなのでしょう。

大変なことばかりできついと思われがちな介護の仕事ですが、ほかの仕事と同じように、楽しいこともうれしいこともたくさんあります。介護にだけいいことがないなどということはありません。それに「人の人生の最後に携わる尊い仕事なのだということを知ってもらえたらうれしい」と大塚さんは介護の仕事について語ります。

介護と大塚さんと作品のこれから

大塚さんにはこれから描きたいテーマがあるそうです。それは、言葉を発することが難しい利用者とのやり取りです。

「これまでは言葉に頼りがちになっていましたが、表情や動きなどから対話をする方もいるので幅広い表現をしていきたいです」とのこと。言葉に頼らないコミュニケーションをする人もいるのですね。その対話にもきっと深くしみるやり取りがあるのでしょう。

ほかに、看護師やケアマネジャーなどの他職種と介護職員との連携、実習生の様子なども取り上げたいと大塚さんは述べておられます。『老人ホームに恋してる。』の続編で読めるでしょうか……?

大塚さんのような介護職に就く人が実体験を伝えてくれることで、現場を見たことがない人たちの偏ったイメージが拭われていくことが期待されます。これからも描かれる大塚さんのイラストや漫画で介護の最前線を楽しく読みましょう。

衛澤 創