株式市場の振り返り-薄商いの中で辛うじて小幅反発となるも、新興市場は大幅下落

2016年5月16日(月)の東京株式市場は小幅反発となりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇、TOPIXは+0.1%の上昇で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は▲6.7%の大幅反落となりました。大型株の値動きが激しさと、新興株式市場の大幅下落が目立った日と言えます。

日経平均株価は、前日比▲20円安で寄り付きましたが、すぐに上昇に転じ+200円高近辺を推移しました。後場の開始後間もなく、一時+220円高となる場面も見られましたが、その後は急速に上昇幅を狭めていき、マイナス転換寸前まで下落しました。最後はやや切り返したものの、大引けは+54円高となる16,466円で終わりました。最後は何とかプラスに持ち込んだ形です。

東証1部で上昇したのは742銘柄、値下がり1,099銘柄、変わらず109銘柄でした。東証1部の出来高は19億5,208万株、売買代金は1兆9,332億円(概算)となっています。売買代金が2兆円を切るなど、厳しい薄商いとなっています。また、値下がり銘柄が意外に多かったことも特徴です。

セクター動向と主要銘柄の動き-17業種が上昇、16業種が下落。非鉄金属が大幅上昇し、ゴム製品が続落

東証1部で上昇したのは17業種、下落したのは16業種でした。上昇率上位は、非鉄金属+5.3%、機械+1.3%、鉄鋼+1.0%、化学+0.8%、電気機器+0.8%などでした。一方、下落率が大きかったのは、ゴム製品▲2.6%、石油・石炭▲1.7%、空運▲1.5%、電力・ガス▲1.0%、医薬品▲0.8%などでした。非鉄金属が大きく買われた一方で、先週半ばから続くゴム製品の値下がりが止まりません。全体的には方向感のない動きだったと思われます。

個別銘柄では、先週末に業績下方修正を発表した東洋ゴム工業(5105)が一時ストップ安になる急落となり、横浜ゴム(5101)も大幅下落となり、ブリヂストン(5108)も安く終わっています。また、武田薬品工業(4502)が4日続落となり、ソニー(6758)は6日ぶりの反落となりました。医薬品セクターではエーザイ(4523)やテルモ(4543)も値を下げ、小売セクターではファーストリティリング(9983)や三越伊勢丹ホールディングス(3099)などの下落が目立ちました。一方、日東電工(6988)、電通(4324)、ダイキン工業(6367)、富士重工(7270)、日立製作所(6501)などが上昇しました。また、資生堂(4911)が大幅高となり、花王(4452)も値を上げています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-相場は動き出す方向にある。過度に売られた輸出関連株にも注目

結局、16日は小幅高に終わりましたが、怒涛の勢いの決算発表を終えて、様子見スタンスが強かったようです。しかし、相場が動き出す時期、動き出さなければいけない時期であることに変わりはありません。5月26~27に開催されるG7伊勢志摩サミットに合わせて、まずは20~21日にG7財務大臣・中央銀行総裁会議が日本(仙台市)で行われます。本会議で大きな議題の1つになると思われる経済・金融問題が先行して議論され、大きな方向性が出て来るかが注目です。そして、それが26日からの本会議に繋がると考えられます。

このような状況の下、17日(火)の株式相場では、まずは政府の景気対策の恩恵銘柄で、この決算発表時に下がった銘柄を拾うことが有効でしょう。建設、不動産、小売、トイレタリーの各セクターが注目です。特に、パフォーマンスの冴えない不動産株に注目です。また、伊勢志摩サミットで為替相場の風向きが変わることも考えられますので、過度に売られた輸出関連銘柄にも目を向けてもいいでしょう。

青山 諭志