豪RBAは追加利下げ観測も、豪ドル相場に反転の可能性

オーストラリア準備銀行(中央銀行、以下RBA)が、12月17日に12月政策会合の議事要旨を公表しました。

それによると、RBAは次回2月の理事会で景気見通しを再評価する予定で、家計所得の低迷継続や労働市場の悪化が顕在化した場合には、追加利下げを行う可能性が示唆されました。また、RBAの目標の達成には、低金利政策が長期化する必要があるとの認識が示されました。

オーストラリア経済に対する厳しい見通し

RBAは、原則として毎月第1火曜日に金融政策理事会を開催し、金融政策について判断しています。毎年1月は夏休み期間のため理事会の開催はないので、年11回開催されていることになります。RBAの次回政策会合は2月4日に開催され、四半期毎の経済見通しも同時に公表される予定です。

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なお、オーストラリアの政策金利は、オフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)として銀行間資金取引のオーバーナイト(翌日)もの金利がRBAの誘導目標とされています。

IMFが10月に発表した最新の世界経済見通しでは、オーストラリア経済の実質GDP成長率の見通しは2019年が1.7%、2020年が2.3%と、いずれも2019年4月時点の予測から、それぞれ0.4ポイント、0.5ポイント引き下げられました。これは、RBAが2019年8月に公表した経済見通しの2019年2.4%、2020年2.8%の成長予測を下回る厳しい見通しでした。

これまで持続的な成長を続けてきたオーストラリア経済ですが、貿易障壁や地政学的な緊張の高まり、先進国における生産性の低下などが世界経済に同時減速(a synchronized slowdown)を引き起こしかけている中、その影響を受け始めています。

資源国でもあるオーストラリアは、輸出を通じて中国とも結びつきが強いのが特徴であり、近年は中国経済の成長鈍化が、オーストラリア経済の持続的な成長の足かせになることも危惧されています。

フライデンバーグ財務相は、オーストラリア経済が世界経済の逆風に晒されていることは認めながらも、オーストラリアの経済成長は米国を除いたG7各国の成長率を上回る見通しだということに触れて、追加的な財政政策を発動するよりも、減税やインフラへの投資拡大、雇用確保や自由貿易の推進など、これまで採ってきた経済政策を継続することで、力強く長期的な経済成長を確保する方針であると述べています。

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長谷川 建一
  • 長谷川 建一
  • ニッポン・ウェルス・リミテッド・リストリクティド・ライセンス・バンク
  • 取締役兼CIO (Chief Investment Officer)

京都大学卒、MBA(神戸大学)。 シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、2000年にシティバンク日本のリテール部門で商品開発や市場営業部門のヘッドに就任。2002年にシティグループ・プライベートバンクのマーケティング部門ヘッドに就任。
2004年末、東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に移り、リテール部門マーケティング責任者として活躍。2009年からは国際部門でアジア・リテール戦略を担い、2010年は香港にてBTMUウエルスマネージメント事業の立ち上げに従事。
2013年よりNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(ニッポン・ウェルス・リミテッド・リストリクティド・ライセンス・バンク)にてCOOに就き、2017年3月よりCIOを務める。