育児の孤独感を癒してくれるのは「何気ない会話」 親が神経質にならず子育てできる社会とは?

「産後うつ」までいかなくても、赤ちゃんを育てる母親のほとんどが経験しているのが「孤独感」ではないでしょうか。

産んですぐに職場復帰するのでもない限り、家で子どもと向き合う時間は長く、慣れないことだらけ。孤独感は個人差こそあれ、母親ならば誰もが通り過ぎねばならない関門なのかもしれません。

筆者が暮らすニュージーランドには、子育ても家事もこなしてくれる夫、「キーウィ・ハズバンド」がいるから大丈夫なのでは? と思われる向きもあるでしょう。しかし孤独感は大なり小なり、この国の母親にも影響を与えています。

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子どもは2カ月、慣れない子育て、新しい町

筆者がニュージーランド国内で別の町に引っ越しをしたのは、娘が生後約2カ月の時です。引っ越し先は当時、人口4万人という小さな田舎町でした。田舎といえば、一般的にすでに住人たちの間で「輪」ができていて、なかなか新顔が入り込みにくいことで知られています。

子どもが小さくて、なかなか友達作りまで手が回りそうもない上、引っ越し先は地元民の結束が強い田舎町。確実に孤立化するだろう条件が揃う中での引っ越しでした。今振り返ると、向こうみずというか、よく度胸があったものだと我ながら思います。

親戚も知り合いも友人もいない新しい町で、生まれたばかりの赤ちゃんと2人きりで過ごすのはなかなか辛いことでした。頼りになるのはパートナーのみでしたから、夕方帰宅するのが毎日待ち遠しかったのを覚えています。

赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからない時などに、「仕事ならうまくやれる自信があるのに。育児は私には向かない」と、勤め先から帰宅する人や車をうらやましく思いながら眺め、悲しくなったこともしばしばでした。

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1998年よりニュージーランド在住。東京での編集者としての経験を生かし、仲間と各種メディアを扱う会社を創設、編集長を務める。
2002年に独立し、本格的に執筆活動を開始する。ニュージーランド航空やニュージーランド観光局の発行物やウェブサイトを手始めに、現在は国内はもとより他の英語圏の国々における環境、ビジネス、子育て/教育、文化、テクノロジーといった分野について、多岐にわたる媒体に寄稿。海外在住日本人ジャーナリスト集団「Global Press」所属。